人生のツケが押し寄せすぎ

40歳ひとり暮らし貧乏女の心境と愚痴

既婚だと許される風潮 2/2

前回の続きです↓

https://yasagureonna.hatenablog.com/entry/2019/02/15/021052

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これは今日の戦利品です

駐車場からの帰り道滑って転んだので、右のサガリが上に寄っています

2パック残っていた半額サガリをカゴにいれた瞬間、隣にいた夫婦に

「あーっ!」

と言われましたが、この世は弱肉強食です

つがいが居ない私にこそ、取れるべきときに栄養を補給する権利があります

半額ハンターの世界は厳しいのです

独身だと果物独り占め出来るのがいいですね

給料日後

「イチゴが食べたい!」

と所望する子どもに

「高いから今日はダメ!

バナナにしなさい」

と現実を突きつけるマダムの横で

「あまおう」や「シャインマスカット」を見せつけるようにカゴに入れるのが、唯一勝ったと思える瞬間です

私の職場には、100キロ超えのインパクトの強いゲイのスタッフがいます

有休は新宿2丁目に通い詰める彼の体からは、いつも石鹸と薔薇の香りがします

出勤前に必ずシャワーを浴び、ボディークリームを塗り込むそうです

さらに糖尿を患っているため、石鹸の香りはいつしか独特の甘臭い匂いへと進化を遂げます

あらゆる媒体で耳鼻科医が

「耳掻きはしないほうがいい

自然と出てくる」

と力説していますが、彼はいつも遠目から確認出来るくらい、耳垢がぎっしりと詰まっています

虫歯を放置していた前歯は、黒い穴が開いています

話し方や挙動が完全におネエなので、ゲイは周知の事実ですが、本人はバレていないと思っているようです

私は承り顔なので、早い段階でカミングアウトされています

「やさぐれさんなら引かれないと思った」

私はなんだと思われているのでしょう

ゲイとおネエは別物らしいですが、説明されても難しかったので使い方を間違っていたらすみません

彼は無類の年下イケメン好きです

彼氏が途切れない恋愛体質でもあります

現に年下イケメンを伴って職場にお客さんとして来店したこともあり、スタッフの注目を集めていました

個性的な外見とは裏腹に自分にも他人にも甘く、人当たりもいいので好かれるのはなんとなくわかります

私が初めて1人で遅番勤務をすることになったときも

「僕も不安だったから気持ちわかるよ

何かあったらいつでも電話していいから」

と言ってくれたのは、とても嬉しかったです

実際に何度か電話しましたが、深夜にも関わらずいつも優しい対応です

職場から家まで40分の距離ですが、駆け付けてくれたこともありました

これはモテます

私も見習おうと思い遅番デビューする後輩に

「いつでも電話していいから」

と最初はカッコよく決めましたが、何せ仕事が出来ないので私が対応出来ることは少なく

「うん

わかんないから店長に電話して」

と返答していたら、その内かかってこなくなりました

ラッキーです

そんな彼も、日本ではパートナーと家族になる方法が養子縁組という形しかなく、結婚さえしていれば子なしの短時間パートでも

「頑張っている」

と評価されることに疑問を感じているようでした

「大体ね

女子は色々と優遇されすぎなんだよね

汚い仕事とか重いもの持つのとか、なぜか免除されてるでしょ?

そこは平等にしてほしいよね

僕だってやりたくない」

飲食店にはグリストラップという、厨房排水の油脂を貯める装置があります

下水道法には流していい水の性質基準が定められているからです

この掃除が……まあ臭いこと臭いこと

サボると虫が湧いたり、お客さんの元まで悪臭が漂ったりするのですが、なぜか女性スタッフの中で私だけ、体格がいいという理由でこれをやらされていました

うちの店は専用の機械で汚れを吸い上げていたのですが、この機械の重いこと重いこと

ちなみに足元はヌルヌルです

私は肩幅が広く骨盤がでかいので、一見体格良さそうに見えますが、運動をさぼっている今、筋肉もないので普通の中年女性の腕力しかありません

右手で機械を持ち上げながら、左手でホースを操るのですが、あまりの重さに手を滑らせ、勤務中に汚水を頭から被ったことがあります

フロアに出る度にお客さんに鼻をつままれ、あからさまに顔を歪められるので、精神力が1日で大幅に鍛え上げられました

これも私が後ろ楯も行き場もない独身だからでしょうか

配偶者でもいたら乗り込んで文句を言ってくれるのかもしれませんが、そんな夫はちょっと嫌です

お互いの不遇を一通り嘆きあったあと、悲しそうに彼は言いました

「やさぐれさんはまだいいよ

これからいい人に巡りあって結婚出来る可能性もあるんだから

僕なんて、いくら頑張ったところで日本に住んでいる限りは一生そっち側に行けないからね……」

なんて励まそうかと言葉を失った私に彼は続けます

「ま、僕はやさぐれさんと違ってモテるけど」

下の歯にも黒い穴が開けばいいのにと思いました

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