人生のツケが押し寄せすぎ

40歳ひとり暮らし貧乏女の心境と愚痴

借金男の話 2/2

前回の続きです

そんなこんなで同棲の話を持ち掛けられます

当時、フリーターの私の月収は8万円

「3万円入れてくれれば後は俺が出すから」

という条件で不動産屋に向かいます

借金男と会う度に、ストレスで身体中に謎の湿疹が出るくらい全力で細胞が拒否をしていたのにも関わらずです

とにかく貧乏で、自室もプライベートもないボロボロの実家から出たい一心で判断力を失っていました

家賃3万5000円の2LDKを2万8000円まで値切り、仮契約に漕ぎ着けます

木造で、全部屋畳張り……仕切りは襖です

管理が緩いのか、入り口は雑草に覆われています

事故の多い大通りのカーブに面していて、塀もないので、トラックでも突っ込んで来たら即死しそうなデンジャラス物件です

4部屋中3部屋は空き物件でしたが、2階はリフォームされており家賃が2000円高いとのこと

「彼女さん女性ですし、防犯を考えると2階がオススメです」

という不動産屋の提案に対し

「30過ぎの中年女を襲う物好きとかいるんですかww?」

ツボに入ったらしく、ひとり笑い転げる借金男

一理ありますが、夜間は細部よりもシルエットで判断されると思うので府に落ちません

モヤモヤしたまま帰宅し、母に同棲を告げると

「……アンタがそれでいいなら」

わりと引いてましたが、新しいステージに上れる錯覚で、若干ワクワクしていたところ、借金男から電話がかかってきました

「生活費の計算してみたけど、最低でもアルバイト代全額の8万円は入れてくれないとキツい」

突然の5万円アップ

話が違います

当初の金額の3万円だからこそ同棲を考えたのです

「貯金はないの?

俺の借金を一括で返せるとかなり楽になるんだけど……」

微々たる蓄えはありますが、好きでもない男の借金を返したくありません

好きな人になら出します

腎臓をひとつくれと言われればあげます

私の臓器が好きな人の体に移植されると思うと興奮します

電話ではラチが明かなかったので、後日会って車の中で話し合いをしましたが平行線を辿るだけ……

生活費の計算もしてみましたが、借金男は借金まみれのくせに国産の食品しか食べません

化学調味料に拒否反応を示します

味噌汁は鰹節と煮干しから

野菜は有機野菜です

借金男のお父さんは白米と味噌汁、メインの魚か肉のおかずの他に、最低でも小鉢が4品ないと暴れだすそうで

「俺は小鉢2品あれば大丈夫だから楽だよ」

と、ほざいておりました

冗談は真ん中分けの坊っちゃん刈りだけにして欲しいです

面倒になり、本契約する前に不動産屋にキャンセルの電話をかけようとすると

「女にかけさせる情けない男だと思われる!!

俺がかけるから余計なことするなっ!!!」

と、キチガイのように叫ばれます

しまいには

「アルバイトもう1個増やせないの!?」

「いつも俺が金を多く払ってるのを見て悪いと思わないのか!?」

「俺に捨てられたら30過ぎのババアなんて相手にされるわけない!!」

「低学歴の馬鹿と話すのは疲れる!!」

「なんで大島優子みたいじゃないんだっ!!」

最後の激昂がよくわからないのと、色々言い返したいことはありましたが、借金男のお父さんはよくお母さんを殴っており、お兄さんも歴代彼女達を、髪の毛を掴んで引きずり回し、歯が折れるまで殴ると妹さんから聞いていたので、とりあえず落ち着くのを待ちます

私がジャッキーチェーンなら、ドアを開けて飛び降りたいくらいです

気まずい空気の車内に、借金男が心酔していたTommy・February6の曲が響きます

「なんで………………んだ……」

嗚咽混じりに呟きながら、スーパーの駐車場に停車した借金男が咆哮します

「なんで俺の為にもっと頑張れないんだっ!!」

男泣きです

そもそもそんなに好きじゃないし、他の女に貢いだ借金を私が返す道理がないと伝えると、憤慨した借金男がとんでもない返答をしました

「アイツはな……細くて美人だったんだよ!!

お前と違って胸も垂れてないんだよ!!!」

なかなかの攻撃力に言葉を失い、車から降りて家に帰りました

その後、誰かと付き合う度に

「ネエ……ワタシのムネ…………タレてる?」

真顔で口裂け女張りの質問を繰り返すようになります

「……大体そのくらいの位置だと思うけど」

「……乳首ついてれば何でもいい」

「……そんなに胸にこだわりないから別に」

………………

誰も否定してくれません

ボンヤリとした表現で目を合わせてくれないことが多いので、きっと垂れているのでしょう

胸筋を鍛えるべく腕立て伏せに勤しんでいますが、クーパー靭帯が切れたのか、鎖骨に近付く気配がありません

これでは成仏出来ないです

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最近アイスにハマっています

暖かい部屋の中で食べるアイスは幸せです

帰宅後、全てが馬鹿らしくなり、借金男からの鬼電話を無視していると、知らないアドレスからメールが届きました

まだLINEが普及していなかった時代です

「これで終わりは嫌なのでやり直したい

アドレスが俺の気持ちだ」

shaakinnotoko - forever love - yasagure@

目眩がしてきたので見なかったことにします

ちなみに前のアドレスは

one for all - oll for one@

「国全体で弱者を救済すれば世界が平和になる!

富は分配すべきだ!!」

と、頭の湧いた発言をしていました

頑張った人が損をする最悪のシステムです

また鬼電が始まったので、着信拒否をしたくなりましたが、逆恨みで刺されても嫌なのでしぶしぶ出ます

「で?

気持ちは変わった?」

なぜ自信満々なのかわかりませんが、嫌いなのでもう関わらないでほしいと伝えると

「誰に喧嘩を売ってると思ってる!!?

兄貴が黙ってないぞ!!

今からお前の家に乗り込むからなっ!!!」

小学生みたいな脅しを受けるも、ぶっちゃけお兄さんは怖いです

武装するべきか迷っていると

「……いや、俺を巻き込むなや」

電話越しにお兄さんの呆れ声が聞こえてひと安心

「お前なんて……お前なんて一生ひとりだ!!

孤独に死ねっ!!!」

強烈な最後っ屁をくらわされますが、孤独のほうがなんぼかマシなので、その日は安眠しました

その後、やさぐれモードで仕事をしている私を見かねて

「気持ち悪いのとばっかり付き合うからそうなる

緊張するからって逃げてないで、たまにはカッコいい人と恋愛したほうがいい

見た目怖いけど優しいから!大丈夫だから!!」

パートさんが紹介してくれた男性がSさんです

ルックス・仕草・声・匂い・雰囲気

人生初の一目惚れをしました

この人の子どもを産みたいと思ったのは産まれて初めてです

俗に言うビビビ!ってやつですね

一方通行なのが悲しいです

ルンルン気分で過ごしていたところ、ニュース番組で借金男のお兄さんが逮捕されました

それだけでも驚きですが、会話の中で、Sさんのお姉さんと借金男のお兄さんが幼馴染みだと知りました

若い頃はSさんも一緒に遊んでいたとのこと……

世界は狭いです

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