人生のツケが押し寄せすぎ

40歳ひとり暮らし貧乏女の心境と愚痴

アプリの人に会ってみる

1年ほど前からマッチングアプリをしています

死にたいと豪語していますが、極度のビビリなので

拷問された挙げ句に惨殺されたらどうしよう……

得意のネガティブが炸裂し、詐欺写真で

「いいね」を集めて上位に入り、ひとり悦に入るアプリと化していたのですが、絶望がネガティブを上回ったので、試しに会ってみることにしました

北海道の田舎住みの私です

イケメンは大体が都会に住んでいます

人間は顔じゃない

心が素敵ならばそれでいい

理性ではわかっているものの、私の腐りかけている子宮の灯火が、イケメンのDNAを求めるのです

アレでもない……

コレでもない……

人間の顔じゃない女の棚上げ選別が始まります

イケメンでも、プロフや服装がオラついている人はスルーします

輩は大体美形ギャルが好きなので相手にされないからです

なんということでしょう

近場で3歳年上の、なかなかのイケメンを発見しました

介護職だということで、勝手に優しそうなイメージを抱きます

バツイチだと書いてますが、子どもは居ないとのことで、養育費の支払いがないのもポイントが高いです

数日アプリ内でやり取りを重ねLINE交換

40歳0ヶ月

残された時間はありません

早速会う約束を取り付けます

とはいえ、やはりちょっと怖いので、初回はイオンの駐車場を提案します

まずは顔合わせをし、話が合いそうであれば、軽くご飯でも行こうと思ったのです

スキンケア用品やメイク道具が散らかっていたので、収納ケースを買いました

卵型でお気に入りです

SK-IIとか使える財力のある大人になりたかったです

当日、約束は13時だったので、午前中は免許更新に行きます

職場と家の往復なのでゴールドです

ピロンッ!

イケメンからLINEが来ました

あらあら……

せっかちな坊やだこと……

気分はDirty Warkです

「おはよう!

俺ね、垂れパイ好き」

公案の待合所で目を疑います

………

前日までは紳士的でした

急展開過ぎるキャラ変です

そもそも、なぜ会う前に垂れパイだとバレたのでしょう

なんでわかったんですか?

と返信

「え? まだ脱がせてないのにわかるわけないじゃん

ワキ剃ったかい?」

………

私がおかしいのでしょうか?

会話が成り立っていない気がします

脇は抜く派だと返信

「パイとワキ好き

早く舐めたい」

………………

脳が混乱したまま30分の講習を受けます

その間も

「まだ終わらないのかい?」

「どのくらい垂れてる?」

「早くエッチしたい」

「セックスしよ」

「脇舐めたい」

絶え間なく届くお猿LINE

返信していないので、ほぼ独り言です

更新を終えて帰宅すると10時30分

既に行きたくありません

「免許更新終わった?

13時にモスね、もう出れる?」

なぜモスなのかと返信

「俺の家から近いから

モス食ってからのやさぐれの家ね」

………

なぜ私が、貴重な休日に初対面の男とモスからの自宅で無料風俗をしなくてはいけないのでしょう

お腹が痛くなってきたので

公安からの帰りに事故って、代車待ちなので今日は無理そうです

すみません

と返信し、鳴り止まない独り言LINEの通知をOFFにして、昼寝をすることにしました

3時間後

電話の音で目を覚まします

大量の通知のLINEを開くと

「おい」

「うそつき」

「ぱいぱい」

「聞いてるのか」

「おい」

「おい!」

「パイ」

「質問に答えろ」

「ワキ剃ったかい?」

「逃げるな嘘つき」

私に負けず劣らずのキチガイです

既読をつけると電話がかかってきました

要約すると

・母子家庭で育って、母親と同棲する男達に暴力をふるわれながら育った

・車椅子の母親の介護を自宅で10年していたが、精神に限界が来てうつ病となり、叔父に月10万円渡して代わりに看てもらっているからお金に余裕がない

・人の多い場所に行くと過呼吸になる

・家の洗濯機と冷蔵庫が壊れているけど買う余裕がないから、コインランドリーと惣菜で凌いでいる

・職場の上司に「耳ついてんのか?」と言われたことでパニック発作を起こし、1ヶ月休職中

進学校出身で、大卒だから、俺と付き合えるなんて幸せ者

・子どもは責任を負いたくないから欲しくない

バツイチの離婚理由は子どもを欲しがっていた奥さんの希望との不一致によるもの

・ファッションに命をかけているので、支払いは常に対等か、むしろ余分に出してほしい

・繊細な性格なので否定しないでほしい

・パイと脇を舐めさせてほしい

デブ専なので20キロ太ってほしい

情報量が多いです

好奇心が満足したので電話も関係も切ろうと思いましたが

「切らないで!!

もうひとりと孤独に耐えられない……

ちょっとでいいから誰かと話したい………」

電話口でシクシク泣き出します

私も同じ理由でよく夜中に泣いているので、自分を見ているようで可哀想になり、近くのコープの駐車場で話をすることになりました

「まだかい?」

「家出たかい?」

「また嘘かい?」

「腕毛剃ったかい?」

待つことが苦手のようです

家から5分の道のりですが、怒涛のようなLINEが来ます

私は休日に何をしているのでしょう

既に好意はゼロですが、怖いもの見たさの好奇心が原動力です

「こっち! やさぐれこっち!!」

駐車場に着くと、前方に停まっていたインプレッサから、タマムシのように青光りするサングラスをかけた大柄で筋肉質な男が手を振っています

サングラスはともかくとして、見た目はやはりストライクです

とりあえず乗るよう促されますが、怖いのでドアを半開きにします

「なんでそんな警戒すんの!?

あ! 俺の薬見る!?」

パンパンのポーチの中の大量の薬

安定剤が多いそうです

「なんか緊張してきた! 暑い!!」

慣れた手付きでシートから取り出した薬を、バリボリとラムネのように噛み砕いています

苦くないのでしょうか

「なんかアレだね

電話でも思ったけど声と喋り方残念だね」

コンプレックスを指摘されますが、自覚はあるのであまり腹が立ちません

マスクを外すよう促されます

「ほうれい線も残念だね!

でも眉毛とパイ好き!!

高島礼子に似てる」

1ミリも似ていないと思います

ほうれい線は気にしているので結構ショックです

5分前の自身の好奇心に後悔していると

「あ!! 腕毛の処理甘いよ!

も〜!! 何やってんの!?

会うことわかってるんだからちゃんとして!」

毎日処理していますが、目をこらしてみると、肘に一本産毛が生えていました

観察力に引きます

言われっぱなしはシャクなので、こちらもサングラスとマスクを外すよう要求

「えー そんなに俺の顔見たいの〜?」

………

プロフィール写真とは似つかない切れ込みのように細い吊り目

鼻梁が細いですが写真よりも大分低く、色白のぶん髭の剃り跡が青々としています

歯並びも悪く、黄色いです

オブラートに包み

写真となんか雰囲気違いますね

とやんわり指摘

美肌カメラで加工をしているとの返答でしたが、肌以外にも色々と加工している気がします

「俺の腕筋と腹筋見るー?」

ガッチガチの力こぶと、綺麗なシックスパックを見せられます

正直眼福です

玉虫サングラスは謎ですが、ファッション好きを豪語するだけあって、多少輩チックではありますが、オシャレさんであることは、ファッションセンスがゼロの私でもわかります

パッツパツスキニーの上からでも、無駄肉がついてないのがわかる筋肉質な長い脚

正直挟まれたいです

「で、俺はアリ?ナシ?」

見た目はアリだと答えます

「マジかー 俺も〜

子どもいらないけど、同棲してからの結婚ならいいよ

とりあえず俺ん家に行こ! 

車で着いてきて」

目がコンプレックスなのでしょうか

再び玉虫サングラスを装着して明るく促されますが、理性が警鐘を鳴らしているので拒否します

筋肉に誘惑されている場合ではないのです

「なんでさ!

ならせめて今ワキ見せてよ!!」

多汗症なので断ります

色んな緊張感で汗だくです

「アレもダメ、コレもダメって……

あ!じゃあ俺の写真見る!?」

その後20分に渡り、玉虫サングラスのスマホに内蔵された、幼少時代からの写真展が開催されました

「最高に可愛いしょ!?

俺とだったらこんか可愛い子産まれてくるんだよ!」

………

散々

「責任取りたくないから子どもはいらない」

と豪語していたのは何だったのでしょう

精神を患っているせいなのかもしれませんが、よくわかりません

色々と話をする中で、結婚前に私の同級生と8年付き合っていたことも判明しました

80キロ超えの大柄な子なので、デブ専は真実のようです

スマホの中に、もうひとり同級生を見つけたので関係性を聞いてみると

「あー 金払いいいから2回くらいヤッたんだけどね

顔ブサ過ぎて無理だったー

俺ね、目が小さい女無理なの」

玉虫サングラスが「ブサ」と形容する子は、独身ではあるものの、鼻筋が通っていて輪郭も綺麗な知的な美人であり、薬剤師です

美的感覚が独特なのかもしれません

シジミ目には定評があるので

私も目は小さいですよ

と申告したところ

「うわっ!! 本当だ!!

よく見たら、なんか化粧で描いてる!!」

なかなか素直なリアクションです

私は可愛いタイプの男性が好きなので、 ちょっと楽しかったのですが、疲れてきたので別れて帰路につきました

生い立ちは気の毒だと思いますが、精神疾患の人を支える器はありません

同級生ふたりと姉妹になるのも嫌です

毎月10万も母親の介護をしてくれている叔父に送金しているのなら、生活保護を受けさせて施設に入れたほうが楽なのではないかと提案したところ

「金の話ばっかだね!

母さん可哀想だろ!!

もっと人の心とかないのかい!?」

と詰られたのですが、そのほうが全員が幸せになる気がするのです

とりあえず知り合いになりましたが、LINEでも電話でもパイと脇の話しかしてこないので、これ以上の発展は無さそうです

2回目に会うのを断り続けたので腹が立ったでしょう

「20代ならともかく、40の女と結婚とか男にしたら罰ゲームでしかない」

と電話で吐き捨てられましたが、心が麻痺しているのかノーダメージです

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