人生のツケが押し寄せすぎ

40歳ひとり暮らし貧乏女の心境と愚痴

アプリの人に会ってみる 2人目

ストレスMAXな日は、スーパーの半額の刺し身を貪り食うのが私のライフハックです

40歳2ヶ月

人生の後半戦に差し掛かった私に、残された時間は多くありません

アプリで2週間ほどやりとりしていた、バツイチの消防士に会ってきました

マスク装着ですが、事前に送られた写真には、タレ目で引き締まった体付きの、活動服を身に付けた精悍な男性が写っています

お子さんが2人いるとのことでしたが、若い頃に結婚したようで、どちらも成人して独り立ちしているとのこと

LINEの文面も柔らかく、結婚願望モリモリとのことで、死にたい気持ちも幾分和らぎ、ウキウキ気分で当日を迎えたのです

ビビリなので、名前を検索し、事前に消防隊に属していることを確認しました

偽名を使われていたらどうにもなりませんが、今さら失うものは命くらいです

詳しい情報を書くと特定されそうなので、所々ボカシます

「おはようございます!

今日も市民の平和を守ってきます!!」

「試合の遠征で札幌に来ています

子ども達の笑顔が何よりの報酬です!!」

「搬送した患者さんがステージ4の肺がんで亡くなりました

やるせないことです

その方の分まで健康に感謝し、今日も1日張り切って頑張りましょう!!」

やりとりの段階で苦手意識はありました

ありましたが……

きっと炎のように熱いハートの持ち主に違いない!!

将来への焦りと、ファイヤーマンという肩書きが私のレーダーを曇らせます

中距離の方でしたが、小中学生にスポーツを教えていて、近くで練習試合をする予定があるというので、試合前に顔合わせをすることにします

「白の○○が僕の車です」

待ちあわせの駐車場に着き、辺りを見回します

白の〇〇……

白の〇〇………

車種を聞いてもよくわからないのですが、なんとなく長い車だろうと予想しながら、車を降りて歩く私に、地面に車体がつきそうなシャコタンの白い車の運転手が手を振りました

…………

どう考えてもそれなのですが、私の心が拒否をして、ひたすら白い〇〇を探しますが

「やさぐれさんですか?

手を降っているのが僕です」

無慈悲なLINEが届いたので覚悟を決めて近付きます

「こんにちは〜、初めまして〜」

助手席を開けると、金と紫と豹柄でコーディネートされたVIP仕様な内装が飛び込んできました

まさかのDADステッカーに度肝を抜かれます

「強面でごめんね〜

大丈夫? 怖くない?」

薄い頭頂部に黄土色の肌

ガリガリの体躯

「強面でごめんね」と侘びながらも、そう見せたいとしか思えない色の入ったヤクザ眼鏡

………私の目の前にいるのは誰なのでしょう?

車内はブルーベリーガムの匂いがします

DADステッカーに釘付けになる私に

「とりあえずミルクティどうぞ」

炎天下に車に放置され、常温に温まった紅茶花伝を渡されます

甘い飲み物は嫌いなので

ありがとうございます

牛乳飲むとお腹痛くなっちゃうので、家で飲みますね

受け取ってバッグに入れました

「煙草大丈夫な人ですか?

アイコスだから大丈夫ですよね」

まだ答えていませんが、車内でアイコスをふかされます

ブルーベリーガムの匂いの正体です

開けた窓に肘を置き、シャコタンにも程がある改造車でオラオラチックにアイコスをふかすヤクザ眼鏡……

駐車場では人に見られる可能性があるので、近くの公園で話そうと提案し、車を出してもらいます

「ミルクティ、飲まないんですか?」

飲みたくなかったので、再度

牛乳でお腹痛くなっちゃうので家で飲みますね

と伝えます

ギッ………ギッ…………ギーッ………………ギッ……

車体から不吉な音が聞こえるので質問したところ

「26万キロ走ってる車だからね〜

何度か直してるんだけど、もうどうしようもないくらいサスがいかれてるのさ〜」

いかれてるのさ〜

では済まされないほどユラユラするので、早くも酔いそうです

新しくしないのかと聞いたところ

「愛着あるし、まだまだ乗れるからね〜

それなのに新品を買って、わざわざローンを抱えるのもなんだかね〜」

10万キロくらいまでだと勝手に思い込んでいましたが、人それぞれなのでしょう

…………

…………

質問には答えてくれるものの、一向に話を振ってくれません

インタビューのようです

離婚原因を聞いてみると、出るわ出るわ

奥さんの悪口オンパレード

奥さんの金遣いが原因とのことでしたが、自分は1ミリも悪くないという口振りが気になります

100対0はなかなかないと思うのです

職業柄なのでしょうか

安全運転過ぎる安全運転で、40キロを下回っていますが、シャコタン過ぎるので誰も追い抜いていきません

胃が痛くなりそうです

「公園の前にちょっとドライブを楽しみましょう」

ブルーベリーの匂いに包まれながら、ユラユラ車体で同じ交差点を4回通り過ぎたので、気持ちが悪くなってきました

「ミルクティ、飲まないんですか?」

しきりに常温のミルクティを勧めてくるのも謎です

催促して公園に到着し、2時間くらい経過したかなとスマホを見るも、15分しか経っていません

肩は凝り、吐き気もしてきました

「今日本当暑いですね〜」

マスクを外して飲み物を飲むDADステッカー

人の容姿をどうこう言える顔面ではありませんが、ハンバーグ系統の顔です

一向に話を振ってくれず、質疑応答の記者会見が続いています

興味がない質問をするほど辛いことはありません

イケメン好きではないのですが、何より雰囲気がタイプではありません

性的に刺さらないのです

「どっかでご飯とかお茶します?

僕ユニフォーム着てるので目立っちゃうかもですけど」

DADステッカーの私服が気になりましたが、車で充分だと答えます

「ミルクティ飲まないので……

お茶にすればよかった……ごめんなさい」

頑なに常温の紅茶花伝を飲まそうとしてくるので、毒でも入ってるのかと戦慄しながらも、キャップが緩んでないことを確かめ開封、一口飲みます

牛乳を飲むとお腹が痛くなるのは本当なので、出先では飲みたくないのですが、あまりのしつこさに根負けしました

奥さんが出ていった新築の持ち家のローン返済が60歳まであるようですが、自分ひとりの収入で充分返せる金額なので、結婚後は今のまま働きたいなら給料は小遣いにすればいいし、働かないで家でノンビリしてもいいし、暇なら気晴らしにパートでもするといいと提案されます

………

好条件です

またとない好条件ですが、口ではなんとでも言えますし、車内をVIP使用に飾り立てる男です

新築一戸建ても同じようにコーディネートされている可能性があります

ピッタリしたユニフォームの足が、私の腕くらいの細さだったので、太らないように気をつけてるのかと聞くと

「そうですね〜

醜くなりたくないので、食べ過ぎちゃったな〜って日はすぐに下剤を飲んでその日に全部出します」

メンヘラぶりが垣間見れました

試合の時間が迫ってきていたので、最初の駐車場まで戻ってもらいます

試合を見に来るように誘われますが、行きたくなかったので、用事があると嘘を付きます

「試合終わったらまた連絡しますね〜」

解放される喜びに満ち溢れ、社交辞令でお礼を言ってドアに手をかけるも、一向に開かないので不思議に思って何度かチャレンジしていたところ

「あ、車も帰したくないって言ってるよ」

冗談とも本気ともつかない台詞をかまされながらロックを解除されますが、聞こえないフリをして車を降りました

自分の車に乗り込み、発車させると、シャコタン車から身を乗り出したDADステッカーが手を降っていましたが、これも気付かないフリをします

帰宅後

「さっき手を降ったのにスルーでしたね」

というLINEが来たので

「そうだったんですか!?

気付かなくてすみません」

と返信

精神的疲労でグッタリしたので、そのまま昼寝に突入します

6時間後

5件のLINEが入ってました

「今日はありがとうございました!

これから試合です

子供達と一緒に頑張ってきます!!」

「昼寝でもしているのかな?

1回戦勝利の2回戦敗退でしたが、子供たちは全力で頑張りました

結果よりも頑張って全力を出した過程に意味があります」

「いっぱい寝てるね〜いいことだ

今から〇〇に戻ります

安全運転を心掛けます!」

「どうしたのかな?事故にでもあったのかな?

家に着きました〜

〇日と〇日はお互い休みですよね?

どこに行きたいか考えといてください」

「大丈夫ですか〜? 生きてますか〜?

僕なんかしましたか??」

寝ていて返信できなかったと伝えるも、秒で既読がつきまた返信が来ます

質問や、せめて会話を膨らませてくれれば続けようがあるのですが、一方的な俺通信です

私から聞いてばかりなので、逆に何か聞きたいことないですか?

と返すも

「これからどんどん質問責めしますよ〜

覚悟しておいてくださいね〜」

よくわからない答えに頭が痛くなり、放置することにしました

翌日

「おはようございます!!

美味しいスープカレー食べに行きませんか?」

時刻は6時

早朝LINEに起こされます

頭痛と肩コリに加え、吐き気も酷かったので

「すみません

体調が悪いので今日は家で寝ています」

と返信

「そうですか~

ゆっくり休んでくださいね〜」

と返ってきたので、二度寝を決め込んだ5分後

「どうですか〜?

ゆっくり休めてますか〜??」

エナジーバンパイアなのでしょうか

通知をオフにし、再び眠りにつこうとしたところ、またもスマホが光ります

「どした〜?

大丈夫かな??」

叫びだしたくなる程イラつき

「申し訳ないのですが、疲れているので休みたいです

精神的に余裕がないので、恋愛とかも無理そうです

お時間無駄にしてすみません」

と返信したところ、今まで絵文字満載だったLINEが

「そうなんですね

体調の回復に努め、相応しい出会いを応援しています」

と、シンプルになったので、若干の罪悪感を抱きながら終了しました

恐らくいい人ですが、根本的に合いません

私も私で大概だと思いますが、一緒に居て楽しくて、疲れない人を探します

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