人生のツケが押し寄せすぎ

40歳ひとり暮らし貧乏女の心境と愚痴

Sさんと出川が出会う

太りすぎて着る服がありません

サイズを上げて購入してしまうと、体型が戻りづらいような気がするので、制服のように毎日同じ格好をしています

ちゃんと洗っているので許してください

今月は、前半の繁忙期に比べ後半のシフトがユルユルなので体が楽です

運動しなきゃ!!

前日の夜の意気込みはどこへやら

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ローソンのほしいもが美味しいです

中国産は体に悪いっ!!

子どもが奇形になってしまう!!

産む予定もないのに身を守る毎日でしたが、そんな未来は来ないことに気付いてしまったのでどうでもよくなりました

体重は以前として51.8キロ

体脂肪も28%のままです

お菓子は出来るだけ控えているものの、夜ご飯にパエリアを作って貪ったのが仇となりました

炭水化物が大好きです

休みでしたが、Sさんから頼まれていた商品を受け取りに職場へ

顔見知りのスタッフに

「彼氏のですか?」

と、聞かれるも

「いえ、好かれていませんが好きな人です」

颯爽と答える38歳5ヶ月

憐れみの視線が快感になってきました

14時頃、定休日のSさんの店に到着し、頼まれていた品を渡します

Sさんの笑顔が好きなので、テンションが上がりますが貴重な休日

日頃の疲れを癒したいだろうなと玄関に向かうと

「今日は休みなの?」

休みだと答えます

トランシーバーを送りつけて怒られた前科があるので、好かれてもいないのに長居してはいけません

役目を終えた老兵は去るべきなのです

再び玄関に向かうと

「なんか用事あるの?」

内心ウキウキで、暇だと答えます

ちょっと遊んでいってもいい?

と素直に聞けないのが、好かれていない者の宿命なのです

「1週間くらい前からバックヤードにネズミ出てさ……」

どことなく疲れた様子のSさん

綺麗に片付けられた店内と比べ、物が多く、散乱しているのも原因のようです

店の方には出てこないものの、ネズミ撃退スプレーを噴射したり、毒団子で殲滅を目論むものの、効果は薄いとのこと

毒団子のパッケージには

【ネズミの体や目、耳から血が噴射し、止まらなくなり仕留めます】

と物騒なことが書かれていたとのこと

Sさんは私以上に虫やら気持ち悪いものが苦手なのです

ニョロニョロ系の虫以外は平気な私です

一緒に片付けようと提案するも

「血が噴射したネズミが飛び出してきたら怖いから嫌だ」

の一点張り

10時から片付けをするつもりで店に来たものの、ネズミが怖くて手がつけられず、現実逃避に男性用性感エステのサイトの女の子を見ていたら4時間が経過したそうです

「ウィッグ変えてるだけで◯◯ちゃんと◯◯ちゃんと◯◯ちゃんは体型が一緒だから同一人物!

この店は在籍する女子が少ない」

無駄な観察眼を披露してくれます

鬼滅の刃の大ブームで、お客さんに何度も何度も

「美容師さんは誰押しですか?」

と聞かれるのに嫌気が差して

「丹治郎のお母さん」

と即答するというSさん

1話で死んでしまうので、なぜ好きなのかというお客さんからの質問に

「だって丁度いいしょ

子ども6人も産んで、未亡人でエロくて最高でしょ~」

とニヤニヤしながら答えると、二度と質問されないからオススメとアドバイスをされましたが、快適さと引き換えに失うものが多すぎる気がします

「いっそ業者に片付けと駆除を頼みたい……

考える苦痛から解放されたい…………」

カフェオレをチューチューしながら項垂れる姿が可愛いです

男性に可愛いは禁句らしいので言いませんが、キュンキュンし、先日喧嘩したばかりの出川に依頼することにしました

これからのことについて色々話し合ったときに

「結婚願望は昔からないし子どもも欲しくない

でもずっと一緒に居たいから、同姓して旅行とかも行こう」

という意味のわからない提案をされたからです

籍を入れるのが負担で責任を負いたくないとしか思えないし、私の年齢を考えてほしいと反論すると

「そういうわけじゃない

今すぐ結婚したいだけなら他の人探せばいい」

平行線を辿って、同姓も別れも保留していましたが、連絡をしてみると

「片付けとゴミ捨てで料金は多分2~3万円で済むけど、ゴミの種類にもよるから先に見積もりをしたい

今の仕事終わってからなら行けるけど」

とのこと

面白そうなので出川にSさんの電話番号を教え、私も一緒に待つことにします

Sさんには、彼氏なので私がSさんのことを好きなのは内緒にしてほしいと打ち合わせをしますが、以前出川にトランシーバー事件を話した際に

「ロン毛でヒゲで眼鏡の美容師」

と説明した記憶があるので、もろバレな気もしますが、自分が何をしたいのかも最近よくわからないので、もうどうにでもなればいいのです

「オレ、アレかな

オシャレした方がいいかな?」

なぜSさんがオシャレをするのかはわかりませんが、そのままでいいと伝えます

ほどなく出川の車が到着し、板金の工場長と共にSさんと名刺交換をします

私はどっちの名刺も持っていないので欲しいです

問題のバックヤードで見積もりをする出川とSさん

「あ……トランシーバーの」

「あ……はい」

不吉な会話が聞こえてきますが、変な縁を繋げてしまったのは私です

来週の月曜日に片付けをするそうですが、ふたりがマブダチになって、どっちも遊んでくれなくなったらどうしようと心配しています

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