飲食店で働いています
仕事中の楽しみは、暇な時間帯に店内の掃除をしながらお客さんの会話を盗み聞くことです
………………
暗いうえに気持ち悪いですが許してください
そのくらいしか娯楽がないのです
友人関係、カップル、親子、兄弟、親戚、仕事仲間……
関係性は様々ですが、どの会話も面白いです
今までに一番怖かった会話は、常連のヤ◯ザのお爺ちゃんが派手で綺麗なお姉さんに半ば強引に何かの契約書を書かせていたことです
お姉さんが泣きながら署名していたので、いたたまれない気持ちになりました
他にも
別れ話をするカップル
働かない息子に説教する母親
デート商法でアクセサリーを買わされている男性
などなど、ラインナップに富んでいます
中でも、個人的にニヤニヤしてしまった会話を紹介していきます
一言一句覚えているわけではないので、わりと適当ですが、ニュアンスは合っていると思います
①【美人にマウンティングするブス】
大学生っぽい女性二人の会話です
「だからさ~ 奥手すぎ!
そんなんだから彼氏出来ないんだって!」
強気なブスが弱気な美人に恋愛を語っています
「奥手っていうか……
付き合うなら本当に好きになった人がいいんだ」
控え目に反論する美人
口調は柔らかいものの、物言いたげな表情をしていることから
(ブスが私にアドバイスしてんじゃねえよ
穴モテとモテを一緒にしてんじゃねえよ)
などと、心の声を勝手にアフレコして楽しみます
「そんなこと言ってたら一生ひとりだって!
色んな人と付き合ってみないと、どういうのが自分に合うのかわかんなくない??」
「う~ん……そうかなあ」
面倒になってきたのか、苦笑いを浮かべる美人
「そうだって!早くしないと売れ残るよ!!
なんなら私が男紹介してあげるからさ!!
そしたら二人で恋愛の話とか出来るし」
…………
凄い自信です
周りのお客さんも、チラホラ二人を見ています
恐らく私と同じ考えに違いありません
友達なのか知り合いなのかはわかりませんが、なぜ美人と自分が同じフィールドに立っていると思ってしまったのでしょう
なんなら自分がちょっと上だと錯覚出来る自尊心の高さは羨ましいです
売れ残りババア代表として言わせていただくと、自尊心の低いブスよりも自尊心の高いブスの方が幸せになる傾向があります
しかもなかなかのイケメンで収入が安定している旦那を捕まえ、寄り切りゴールする人が多いです
自分を大切にしないと、不思議と周りからも雑に扱われるので、是非とも勘違いしたまま突き進んでいってほしいものだと思います
②【勘違いしているパートのおばさん】
仕事帰りに仲間と集まって、職場の愚痴大会に華を咲かせるおばさんの集団
棚上げして書いていますが、私もおばさんです
事務職、保険業、加工場、スーパー、清掃……
あらゆる職種のおばさん達が、上司や同僚の悪口で盛り上がります
誰かがトイレに立つと、合間にその人の悪口で盛り上がるのが面白いです
私も悪口が好きなので、それは理解出来ます
理解出来ないのは
「部長は私に逆らえないから~」
「チーフは私に一目置いてるから~」
「店長は私が言えば一発だから~」
などと、うそぶくパートのおばさんです
逆らえないのでも、一目置いているのでも、一発なのでもなく、ただ単に
【面倒だから】
プラス同情と憐れみでスルーされているだけという事実に気付いていません
「◯◯さん◯日休みにしたいんでしょ?
私が店長に言っとくから!」
鼻の穴を膨らませて安請け合いしていますが、時給で雇われている末端従業員だという自覚が皆無です
店長の裁量ひとつで職を失います
やっぱアレですかね
【家庭を持っている】
という事実が謎の勇気を与えてくれるんですかね
本人の中では
【夫と子どもがいる】
ことが人生最大のステイタスなのでしょう
私も時給制の末端従業員なので、羨ましい限りです
上司の悪口を散々吐き出した後に
「いざとなったら全員で退職するってゴネてみようか?
チーフどんな顔するだろうね?」
………………
普通に全員解雇になって終わる気がするのですが、稼ぎ頭の夫がいるということで、こうも強気に出られるのでしょう
無敵で羨ましいです
食材を買いに行くのも、ご飯を作るのも、食器を洗うのも億劫です
蟹が食べたいです
家の鍵の件ですが、翌日鍵穴を新しくしてもらい、新しい鍵を5本もらいました
鍵屋さんにこんなにいらないと伝えたところ
「独身の女性だから何かと使うでしょ」
という大家さんの計らいだということでしたが、全く嬉しくないうえに配る相手もいません
それなら家賃を下げて欲しかったです