人生のツケが押し寄せすぎ

40歳ひとり暮らし貧乏女の心境と愚痴

選ばれない女

女は愛されるのが幸せとかいいますよね

私は愛されるよりも愛したい真剣で派です

そのほうが楽しいんですよね

好きでもない人と行くハワイよりも、好きな人と行くコンビニです

ちなみに海外に行ったことがないです

これからも行ける気がしません

周りの同性に話を聞いたところ、若いうちは好きな人を追い掛けて恋愛を楽しみ、適齢期で好かれて寄ってきたそこそこの人を見つけ結婚するパターンが多いようです

とても合理的だと思います

若いときのモテる男と、年とってからのモテる男はタイプが違います

いいとこ取りですね

素晴らしいです

私はというとですね

めんどくさがりの性格が災いしてか、若いときは好きでもなんでもない寄ってきた人と適当に付き合っていました

楽しくもなんともないですが、立場的に有利な状態です

ただひたすら楽でした

「私にはこのくらいの人が丁度いい」

「これを逃したらもう誰も来ないかもしれない」

「カッコよくないから取られる心配とかなくてお得」

どこかで諦めがあったんでしょうね

でもどうにもこうにも楽しくないのです

有り難いなと思ったことはありましたが、ドキドキもしなければウキウキもしません

30歳になったころです

どうでもいい人と付き合っており、そろそろ結婚でもしとくかなと思った矢先、職場のモテ男の言葉が耳に入ります

「やさぐれさんは勘違いをしている

不細工だから優しいとか、カッコ悪いから浮気しないとかではないからね

不細工だろうと性格悪い奴は悪いし、女に求める基準が低いわけではないから

腹立ったときに好みの顔だと許せることってあるでしょ」

眼からウロコでした

同時に相手に対して些細なことでキレまくっていた理由が明らかとなりました

自分のブスさとババアさを棚上げして書きます

好きでもない、ましてや好みでもない相手の場合、ちょっとしたことが許せないんですよ

普段優しくしてくれていても、1個気に入らないことをされるとアウトになります

それは男も女も同じなのでしょう

真実に気づき、30歳からいい男を追い求め始めました

完全に順序を間違っています

美貌も若さもない

仕事は出来ないし頭も悪い

恋愛テクニックもない

残るは邪な気持ちだけです

でもですね

めちゃくちゃ楽しいです

今まで諦めていたイケメンは、話してみると普通の人でした

むしろイケメンだから周囲の扱いもよく、ひねていないことが多いです

性格もいい

私は10代、20代で何をしていたのでしょう

自分も楽しくないし、よく考えると相手にも失礼ですね

ただ悲しいことに、大抵のイケメンは適齢期に結婚しています

残るは独身主義か、ちょっと癖のあるイケメンです

当然相手にされるわけもなく、虚しくこの歳まで1人なわけですが、去年会社の旅行で京都に行き、食事どきに会長の奥様と同じ席になったときのことです

参加対象者の年齢が高く、全国からの26名中、未婚は私を含めて3人

ほぼ全員が初対面のなか

「お子さんは何歳?」

「あ……子どもいなくて」

「今はそういう人も多いわよね

旦那さん何してる人?」

「あ……結婚もしていなくて」

「で、でも彼はいるんでしよ?」

「あ……好きな人はいます」

みたいなやりとりを23回繰り返しました

罰ゲームみたいでした

お酒も入り、会長の奥様が饒舌になってきたころです

出会いはキャバレー

既婚ですでに子どももおり、生活の為にキャバレーで働く奥様に惚れ込んだ会長が、略奪した大恋愛だと聞きます

美人は得だなと卑屈になりつつも、どうやったら好きな人と結婚出来るのかを相談しました

私はそのくらい必死です

「……女はね

選ばれなきゃダメなのよ」

一瞬困ったような表情で、言いにくそうに答えてくれます

すごい説得力です

確かデヴィ夫人もTVで同じ事を言っていたなと思い出しつつ、選ばれない場合はどうしたらいいか聞いてみました

私はとんでもなく必死です

なお、デヴィ夫人の解答は

「選ばれるような女になりなさい」

です

心が折れます

果たして返答は如何に!?

期待の眼差しを向ける私から目を逸らした奥様が、デザートをスプーンですくいました

「うん……あの……

今回は京都に来れて良かったわね」

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どこにも行かないので数回しか出番がないスーツケースです

清純さを演出したくて白を選びましたが、1回でベルトコンベアの汚れにまみれました

持ち主と共鳴しようとしたのかもしれません

奥様の優しさ溢れた大人の対応に打ちのめされた私ですが、真理だなとも思います

人間、簡単に手に入るものは大切にしません

それが大して好きでもない女だったら尚更です

好きで好きで恋い焦がれて、自分のものにしたいと奮闘して、やっと手に入れる喜びは如何ほどのものでしょうか

考えただけでワクワクします

私はこの6年間、男性の狩猟本能を台無しにしていたわけです

お腹を空かせて可愛いバンビを食べたいなと思っているライオンの前に、腐りかけのカピバラが自ら鍋に入った状態で現れたようなもんです

空腹で気が触れてスープをひとくちふたくち飲むことはあっても、大事にされるわけがない

仮に勿体つけたところで、バンビとはそもそもレベルが違います

食べやすいカピバラが、勿体ぶったカピバラに進化するだけです

その夜、部屋に戻った私は豪快に枕を濡らしました

同室の人に気付かれていないことを祈ります

いい歳してホームシックになったと思ってもらえればしめたもの

せめて勿体つけたハイエナくらいに進化したいです

せっかくだからと縁結びの神様に片っぱしから参拝し、恋みくじを2回引いたところ、リアルにどちらも凶でした

だから私は神様を信じません

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